2006-06-17から1日間の記事一覧

4TEEN

中学生を描いたものだが、起こる出来事が少々非現実的なため、現役中学生がこれを読み共感を覚えることは少ないと思う。けれど、彼らが抱く初々しい感情や迷い、それらは中学生らのそれらと言えるだろう。作者の文章表現が、毎度読み易く分かり易い。

卵の緒

作者の描く、人物らとその会話はどれも魅力的。読んだのが暫く前のことなため、詳しいことは記せないが、読んで後悔することはないだろうと思う。収録作に【7’blood】がある。

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ

学生ならば誰もが共感できるだろう平凡を、忘れさせることなく、しかしその中に決して平凡とは言えない非現実を描く。平凡な少年が非現実を生きる美少女に出会う。設定は王道だが、読後、得体の知れないものへの得体の知れない行動力が湧く。無駄のない軽薄…

涼宮ハルヒの憂鬱

アニメ化ともなった人気作。酷くSFな内容だというのに、それを感じさせることなく読める。とてもありえそうにないけれどあってほしい日々、学生世代なら誰もが理想とする日々を彼女らは過ごしているのかも知れない。一人称の語り口は愉快。ハレ晴れユカイ

MOMENT

一話完結の全四話が収録。作者の描く作品は、人物の会話がテンポよくある種の清々しさすら覚える。間接的に死について考えさせられる、何処か心にくる作品。

さみしさの周波数

作者は文句通りに、切なさの達人と言ってもよいと思わせる作品。様々なジャンルに手をだす作者だが、今作品のような内容のものが最も適していると私は思う。収録作品【手を握る泥棒の物語】【フィルムの中の少女】【失はれる物語】とがある。

空の中

ライトノベルの境界を打ち破ったといっても良いだろう。非現実的な内容なのだが、すべてにリアリティがある。抽象的かもしれないが、ハリウッド製作のSF映画の脚本のような印象。登場人物も個々に現実的な、けれど魅力的な個性がある。